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アメリカでは、インターネットを通じたオンライントレードの本格化が引き起こした手数料の価格破壊は、手数料自由化から二十年以上を経て初めて現実化しました。
これに対してわが国では、自由化と同時に底値を探るような競争が展開され、アメリカにおける価格破壊後の手数料水準にまで最低手数料が低下してしまったわけです。
わが国のオンライン専業証券会社の中には、アメリカのインターネット証券会社と提携している例もあります。
手数料の設定にあたっても、いわばクローバルーズタングート(世界標準)であるアメリカの水準に合わせようという意向も働いたのかもしれません。
また、これまで取引金額が大きくなると手数料も高くなるという従量制の手数料体系がとられてきたわが国に、取引金額にかかわらず取引一件当たりの手数料を固定してしまう定額制の手数料体系が一部の証券会社によって導入されたことも注目されます。
こうした手数料体系は、投資家にとってはなじみやすいものですが、証券会社側からみれば、コストのかかる大口の注文でも収入が変わらないという難しさがあります。
注文成立時に証券取引所に支払う手数料(いわゆる場口銭)が従量制となっているだけに、やや合理性を欠いた手数料体系となっている面も否定できないでしょう。
オンライントレードの大きな特徴は、証券会社のサーバーが注文を自動的に受け付けるため、注文監視などのために必要な最小限の人員を除けば、人手を介することなく売買注文を処理することができるという点にあります。
そのため、従来の店舗営業では難しかった夜間や休日の注文の受付も可能としている証券会社が少なくありません。
オンライントレードが早くから普及したアメリカでは、すでに週七日間、一日二十四時間いつでも注文を受け付けるといったサービスも現れています。
もっとも、オンライントレードで夜間や休日に受け付けられた注文は、すぐに取引所などの市場へ送られるわけではありません。
注文は証券会社のサーバーに貯められたうえで、翌営業日の寄り付き(取引開始時)で処理されることになります。
市場が開いていない時間帯に出される注文ですので、市場の変化をリアルタイムでとらえて機動的に売買できるというオンライントレードの特徴は活かされませんが、「明日証券会社に電話しよう」と決めていたのに忘れてしまったとか、にわかに忙しくなって電話できなかった、というような心配がなくなります。
また、オンライントレードを利用する投資家の中には、これまで比較的証券会社になじみのなかったビジネスマンやOLを使って休み時回などにオンライントレードを利用することも多いようですが、仕事が終わった後、自宅へ帰ってからゆっくりと様々な情報を分析して投資について判断したいという人も少なくないでしょう。
オンライントレードの利用者にとって、夜間や休日の注文受付に対するニーズはかなり高いとみていいでしょう。
オンライントレードの利用者が夜間や休日など、通常の取引時間外に売買注文を出していることに着目して、新たに時間外取引向けの市場をつくろうというアイデアも現れています。
アメリカでは、オンライントレードによる注文のかなりの部分が通常取引時間外に出されているという調査結果をもとに、取引所やナスダック市場の取引時間延長が議論され始めました。
一方、最近成長が著しいコンピューターネットワークを利用した擬似的な証券取引所である電子証券取引ネットワーク(ECN)は、独自に通常取引時間外の取引セッションを設ける動きをみせています。
例えば、アイランドは午後四時の通常取引時間終了後も午後八時まで取引を行っており、九九年八月に稼働し二〇〇〇年一月にはECNとしてのステータスを認められたマーケットXTは、時間外取引専門の取引システムとして、オンライントレードーサービスを通じて出された個人投資家の注文同士を付け合わせています。
わが国でも、今後、オンライントレードのいっそうの普及とともに、時間外取引の本格的な検討が進められるものと予想されます。
もっとも、時間外取引には、流動性が低くなりがちなために価格変動が大きくなるとか、不正取引の温床となる懸念もあるといった問題点があることも忘れてはなりません。
実際、アメリカにおいても、最近出されたSEC(米国証券取引委員会)の報告書によれば、通常取引時間外の取引といっても、そのほとんどは取引終了直後の時間帯に集中しており、取引終了後二時間もすると大幅に流動性が低下してしまうようです。
長期的には、世界の証券取引は、二十四時間取引に向かっていくという見方もあります。
そうした観点からは、夜間をはじめとする通常取引時間外の取引市場を早期に整備することが必要でしょう。
しかし、今のところ、夜間や休日にオンライントレードで注文を出している投資家が、本当に発注後すぐに注文が執行されることを期待しているのかどうかも明確ではありません。
また、取引時間を限定することで、その時間帯に取引需要を集中し、効率的で公正な価格形成を図っていることも事実です。
夜間や休日への取引時間の拡大は、市場の構造を大きく変える問題だけに、慎重な検討が必要なのではないでしょうか。
インターネットの特徴の一つに、様々なリンクを張ることで、異なる情報発信者の情報を一つに結び付けることができるという点が挙げられます。
例えば、銀行のオンラインバンキングーサービスと証券会社のオンライントレード、投資情報会社の情報ページを一つにリンクすることで、個々のサイトだけでは提供できない複合的で便利なサービスを提供することが可能になります。
いわば、ネット上で様々な金融サービスの「ワンーストップーショッピング」が実現するのです。
こうした金融総合サービス化の動きは、オンライントレードを提供する証券会社が乱立し、競争が激化する中で、他社との差異化を図るためにも今後、いっそう本格化していくことが予想されます。
アメリカの例ですが、比較的早くからこうした金融総合サービスを志向したケースとして、Eトレードのサイトの仕組みを紹介しましょう。
Eトレードは、もともと証券会社向けのシステム構築を行っていた会社が、自ら証券会社に転身したという設立の経緯から、支店網を持たないオンライントレード専業の証券会社となっています。
高度な技術力による差異化を図るためにインターネットを通じた金融総合サービスの展開をめざし、住宅ローンのEローンや保険販売のインスウェッブなどと提携するとともに、オンライン銀行やオンライン投資銀行を傘下に収めるなど、自社サイトで様々な金融サービスを提供できる体制を整えてきました九八年には自社のホームページを一新し、「デスクネーション(目的地)・サイト」と名付けました。
この新しいホームページの特徴は、口座を持っている顧客でなくても無料で利用できる機能を拡充し、たまたまサイトを訪れたビジターに情報を登録させることで、新規顧客の獲得につなげようとしている点にあります。
登録メンバーになると、リアルタイム株価、自分で設定した銘柄の収益率などを計算できるポートフォリオートラッキング機能、市場分析情報、会社情報などを無料で利用することができます。
これは、金融や投資に関心のあるインターネットーユーザーならば誰でも立ち寄るボークルーサイト(「入り口」としての役割を果たすサイトのこと。

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